天然の生け簀 富山湾鮨

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お知らせ

若い職人さんにも会いにいこう!『味喜寿し』さん

2015.03.29

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 取材をしてきた中で、一番若い職人さんに出会った。高岡市にある『味喜寿し』の後継者となる人物だ。下久保勇治さん(32)。父親と同じ板場に立って8年目。この日、まだお昼の時間をちょっと過ぎただけだったので、店内には2組のお客さんがいた。しばし様子を伺っていると、やはり勇治さんの返事や会話が活き活きしている。

 これまでの取材では、職人さんのいい味を存分に感じてきたが、今回この雰囲気は初めてかもしれない。


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左)勇治さん 右)盛幹さん

 

 『味喜寿し』の初代であり、今のご主人でもある下久保盛幹さん(60)は、取材の冒頭、「これからは若いもんが目立っていかんなんから」と言って、息子さんの取材をすすめてくれた。「えっ、俺が!?」と父親に返す勇治さん。

 お客さんがひいて間もなく、よくよく聞いていくと、後継者の誕生は勇治さんのやさしさから始まったものだった。

 

 元々、会社勤めをしていた勇治さんが24才の時だった。盛幹さんが体を壊した時に、お店の手伝いを買って出た。当時は他に職人さんもいたのだが、「自分が出来ることをやろう」と、仕事の後や休日に自分の時間を割いて、父親を支え続けたのだ。

 盛幹さんも、「自分が体を壊してなかったら、後継ぎはいなかったね」と笑い、勇治さんも「その可能性は高い」と認めた上で、こう続ける。「仕事の内容みていったら、やりがいある仕事やなと。自分の身にもなるし、やりたいなと」。

 盛幹さんの体は直に良くなったらしいが、勇治さんは会社を退社し、そのまま下積み生活を始めるに至ったというわけだ。


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写真は「店主おまかせにぎりコース 喜コース」の握りとバイ貝 

 

 『味喜寿し』の常連さんに、毎週2〜3回お鮨を食べに来る93才のおじいさんがいるらしい。いつも10個ほど食べていき、「お寿司を食べたら元気になる」と笑顔を向けてくれるという。そして「食べもんが一番楽しみだ」とも。

 盛幹さんは、「その姿を見て、私らも元気出さんなんと思います。食べることが生きる楽しみ。健康のもと。そう言って鮨を食べてもらっている」と喜び、「寿司とは字のごとくやねか。寿司は長寿のもとや」と表情を崩す。

 

 後継者となる勇治さんはこう言う。「お客さんが足を運んでくれて、笑顔で帰っていく。こんな仕事は中々ない」。そして勢いのある口調でさらに気持ちを込める。「どう考えても若い職人さんが少ないので、盛り上げていきたい。こんなおいしい魚があるので、もっと富山を知ってもらわないと。日本一だと思っているので。日本一ってことは、世界一ってことですから」と、鮨職人としての強い誇りをにじませた。


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『味喜寿し』の極上煮穴子!2貫分のシャリの上にホクホクの煮穴子がのせられている。思い出しただけでも、幸せな気持ちが蘇ってきます。言うまでもなく大人気の一品!