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富山湾旬ブログ

親父から受け継いだ味は変えずに 『花月鮨』さん

2015.03.31

 射水市大門にあるお鮨屋さん『花月鮨』。創業は昭和41年。開業からまもなく半世紀を迎えようとしている。現在の店主は二代目の鍋嶋淳一さん(44)

 「父を見とったせいか、小さい頃からこういう商売が好きで」というように、脇目も振らずに後継ぎの道を選び、歩んできた。

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 高校を卒業してすぐに上京。「まずは魚を覚えるために」と、築地にある魚屋の門を叩いた。はやる気持ちを抑えた、少々異色の駆け出し。鮨の世界に足を踏み入れたのは富山に帰ってから。一つ一つ目的を遂げるように修業を積み、23才で父の元へと戻った。

 一緒に鮨を握って4年が経つ頃。店内を改装して、新たなスタートを切るその日に、父が脳梗塞で倒れたという。大事には至らなかったが、それが代替わりを意味するものとなり、淳一さんは若くして看板を背負う立場となった。

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 「どこのお鮨屋さんもそうだと思うんですが、親子三代で食べにきてくれていた方の三代目が、また大人になって足を運んでくれる。これが嬉しいですね。親父の代から続いてきたお客さんです」と目を細める。

 そんな若いお客さんに、もっともっと鮨屋が近い存在になっていかなければいけないと話す。

 「時代も変化していく。ニーズに合わせられる営業を目指したい」。そう語るように、ランチタイムにはリーズナブルな握りをセットで用意し、魚の扱い方や細工にも工夫を施す。少しのことだが、見た目にも"綺麗なお鮨"が女性客の心を掴む。日本酒は、和食に合う純米酒しか置かないこだわりで、鮨とオススメの一本を用意してくれる。

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 店内には綺麗なフラワーアレンジメントも。奥さんが手がけたものだ。『花月鮨きときとだより』というブログも奥さんが書き続け、ご主人を後押しする。当の鍋嶋さんも、自らのフェイスブックで近況を発信するなど、様々なツールを駆使して、お店をPRする。「まだ若いんで(笑)。使わない手はない」とのことだが、「一番大事なのは口コミです」とキッパリ。

 「これからは若い人も相手にしていかんなん。ただ、味は親父から受け継いだものは変えずにやっていきたい。お客さんは、それをおいしいと言って来てくれた人たちなんだから」。

 富山の鮨屋さんと、常連さんたち。これまでの記事にも書いてきたように、たくさんの物語が繰り広げられている世界にちょっと足を踏み入れ、旬の"富山湾鮨"を心ゆくまで楽しんでもらいたい。

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